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第6回 保坂真菜「サッカーと生きていく」

日頃より大東文化大学体育連合会サッカー部をご支援いただきありがとうございます。マネージャー兼学連担当の保坂真菜です。

「元ポストプレーヤーの判断ミス」とタイトルをつけた、今振り返ると少し恥ずかしいブログから3年が経とうとしています。ポストプレーヤー歴よりもマネージャー歴の方が長くなった素直な気持ちを綴っていこうと思いますので、読んでいただければ幸いです。

 

 

 

サッカー部を引退してから私の爪はカラフルになった。マネージャーのときは禁止されていたことが当たり前にできる生活にようやく慣れ、自分の爪を見て「かわいい!」とテンションを上げながら楽しく生きている。こんなに心が穏やかなのは久しぶりかもしれない。私はもう悔しさで自分を奮い立たせなくなっていた。

 

中学生のとき、3学年で100人を超える男子のクラブチームに女子1人で所属した。タイムマシーンが存在するなら、この3年間だけは戻らないでほしいと思ってしまうほど、なにもかもが上手くいかず、苦しかった。

でも、「真菜が頑張れるのなら、自分に対してこの野郎と思ってもらって構わない。」とあるコーチが言ってくれたから、私はサッカーを捨てる選択をしないで済んだ。中学生の未熟で、不安定で、孤立した心に、このやろ!と奮起する力は絶大な効果を発揮していた。

 

それからは悔しいことがあれば、その分自分を奮い立たせるスタイルを確立させた。ボールを遠くに蹴られたときも、マネージャーになった報告を笑われたときも、夢を無理だと言われたときも、今に見てろと常に強さをもつようにした。

 

そんな私だが、大学サッカーの4年間は悔しさからの反発だけで動いていたわけではない。四六時中サッカー部漬けの日々を送っていたのは、サッカー部を良い組織にしたいと本気で考えていたからである。学生幹事の仕事、学連の登録関係の仕事、マネージャー業だけでは満足できなかった。SNS用の画像を作ろう、投稿数を増やそう、試合の速報をしよう、トレーニングフォトを出してみよう、頑張っている選手たちの様子を親御さんに届けたら喜んでもらえるのでは…。

サッカー部にかける思いが強すぎて様々なところに手を伸ばした。悔しさの次はサッカー部への愛を原動力としたが、全てが思い通りに進むわけは当然なく、みんなのためにと思っても、ただのエゴかもしれない行動は自分を傷つけることもあると学んだ。

 

 半年ほど前から、サッカー部以外で学ばせていただく機会が多くなり、自分の中に変化があった。毎日吸収することがある生活はとても楽しく、壁にぶつかっている暇なんて存在しなかった。関わる人がみんなかっこよくて、私に必要な言葉をたくさんくれた。この半年で、悔しさから這い上がることも、愛を押し付けることも忘れ、言葉のひとつひとつで人は頑張れることを知った。

 

今はまだ夢のスタートラインにも立てていないが、尊敬する人が言っていた「プライド」をいつか背負う立場になることを原動力としている。先日行ったライブで桑田佳祐さんは歌っていた。「遠い過去よりまだ見ぬ人生は夢ひとつ叶えるためにある」と。サッカーと生きていく という夢ひとつ叶えるための人生を私なりに歩いていきたい。

 

 

 

サッカー部のみなさんへ

 サッカー部で過ごした日々もみんなからのたくさんの言葉で支えてもらっていました。小須田が「真菜って本当にサッカー好きだね」と言い笑ってくれたこと、海音が「部活に必要不可欠」と自信をくれたこと、蒼太が「夢を諦めないでほしい」と背中を押してくれたこと。思い返せばいくらでもあります。

一緒に踏ん張ってくれた先輩、かわいい後輩、大好きな同期、グラウンドに行けば、私が頑張れる理由がありました。みんながたくさん名前を呼んでくれたから、自分の名前がもっと好きになった4年間でした。本当にありがとうございました。

 

 

私に関わってくださった指導者のみなさまへ

 サッカーのルールも知らず、手でボールをゴールに入れたあの日、サッカーに出会えてよかったです。ただグラウンドに立って味方のゴールに拍手をしているだけの女の子を叱らないで見守ってくださったコジM監督(監督のブログの表記に従っています)、女子チームが近くになかった私を拾ってくださった監督、合宿で1人残ってご飯を食べている間ずっと待ってくださったコーチ、選手権で負けた次の日に私の意見に耳を傾けてくださった監督。

多くの指導者のみなさんのおかげで今の私がいます。みなさんがサッカーの楽しさを教えてくれたから、私はあのときよりもさらにサッカーが好きです。心から感謝しております。

 

 

家族へ

 プレーヤーの立場でなくなっても、ずっと応援してくれてありがとう。サタデーリーグで兄が率いるチームとの対戦になったとき、ハーフウェーラインを挟んで父と母が1人ずつベンチに座っているのを見たときは、良い両親だと思いました。ちなみに、勝ったらご飯をご馳走してもらう約束がいまだに果たされていないので、兄には責任を取ってもらいたいと思っています。優しく見守ってくれて趣味が合う父、いつも味方でいてくれる友人みたいな母、サッカーで頭がいっぱいの兄がいて私は幸せ者です。

 

 

小学1年生から一緒にボールを蹴ってくれたチームメイトのみんな、兄以上に面倒を見てくれた兄のお友だちのみなさん、などなど

私に関わってくださった全てのみなさまに感謝しています。

 

ありがとうございました!